「ローンチで終わらせるつもりはない」開発元の長期ビジョン
『NTE』の開発元であるHotta Studioが、海外メディアWccftechの独占インタビューに応じた。
注目すべきは、開発チームが今回のローンチをゴール地点として捉えていないという明確な姿勢である。PC、PlayStation 5、iOS、Androidの4プラットフォームでスタートを切ったばかりの『NTE』だが、Hotta Studioはすでに長期的なロードマップを描いており、舞台となる大都市「ヘテロシティ」を今後も継続的に拡張していく方針を打ち出した。
さらにファンの間で大きな話題を呼んでいるのが、Nintendo Switch 2およびXbox Series X|Sへの展開可能性だ。インタビューの中で開発チームは「他のコンソールプラットフォームについても評価中」とコメントしており、現時点で確定情報ではないものの、将来的なマルチプラットフォーム展開の余地を明確に示唆した形となる。
インタビューで明かされた主な内容
1. 新地区・新都市の追加:ヘテロシティはまだ完成形ではない
開発チームが最も強調したのは、ヘテロシティそのものがまだ「未完成」であるという認識だ。今後のアップデートでは以下が継続的に追加される予定だという。
- 新しい都市地区(city districts)
- 異象(アノマリー)エリア
- メインストーリーの新章
- 主要ゲームモードの追加
さらに開発チームは、他の都市や地域への移動・探索を段階的に解禁していく計画も明かした。具体的な手段(空港の追加、長距離移動システムなど)については明言を避けつつも、「多様なマップ要素を通じて、全体のワールドマップをさらに壮大なものにしていく」と述べている。
ヘテロシティの設計を考えると、これは妥当な発展方向と言える。現状でもマップの東部、島嶼部、未開放の遊園地らしきエリアなど、レンダリングはされているもののプレイヤーが立ち入れない領域がいくつか存在しており、まずはこれらが将来的に解放されていく可能性が高い。
2. Switch 2 / Xbox展開:「評価中」という慎重な表現
プラットフォーム展開について、開発チームは以下のように答えた。
PC、Steam、PlayStation 5、モバイルに続き、他のコンソールプラットフォームについては評価中です。GeForce Nowはオープンベータ版でサポートされます」
ここで重要なのは、明確な「やる」「やらない」ではなく「評価中(under evaluation)」という言葉が選ばれている点だ。クラウドゲーミング(GeForce Now)対応については明言したものの、Switch 2およびXboxへのネイティブ移植は確約していない。
これは『原神(Genshin Impact)』のNintendo Switch版が、発表から長年経過した今も実現していない前例を考えると、過度な期待は禁物という見方もできる。一方で、Hotta Studioが「評価中」とわざわざ言及したこと自体が、内部で具体的な検討が進んでいる可能性を示唆しているという見方もある。
3. PS5 Pro対応強化
現行コンソール最上位機への対応についても明確な言及があった。PS5 Pro向けには、グラフィック強化、フレームレート向上、レイトレーシングの改善、ビジュアルエフェクトの強化が提供される予定だという。Unreal Engine 5製でPC版ではパストレーシング対応も行っている本作だけに、ハイエンド機での体験向上にはかなり力を入れている印象を受ける。
4. ハウジングと協力プレイの拡充
『NTE』の大きな特徴であるアーバンライフ要素についても、今後の拡張方針が示された。
- 複数タイプのアパートを購入可能で、内装フルカスタマイズに対応
- 協力探索(co-op exploration)、ダンジョン共闘、観光、アパート間の交流などマルチプレイヤー要素を継続拡張
- キャラクターとの絆システム強化:専用ストーリー、デート(ハングアウト)イベント、日常的なインタラクション、高品質ボイス演技を充実
5. 探索手段の多様化
現状でも車・バイクを使った街中の自由な移動が魅力の本作だが、開発チームによればスライディング、クライミング、ファストトラベル、地下鉄、エレベーターなど、垂直方向の都市構造に対応した多様な移動手段が既に用意されていて、拡張されていくという。
6. 戦闘バランス:「単一の最強構成」を作らない方針
ガチャゲームでつきまといがちなインフレ問題について、開発チームは「戦略性とバランスの両立」を強調。「Ether Linkage(エーテルリンケージ)」とキャラクターロールは異象戦闘を軸に設計されており、特定の最強パーティに収束しないよう、多様なチーム編成を奨励する設計だと説明した。実戦データに基づく継続的な調整も行うとしている。
コミュニティの反応:歓喜・期待・冷ややかな視線が交錯
ここからが興味深い部分だ。海外コミュニティでは、この記事に対して680以上のアップボートと150件超のコメントが寄せられ、プレイヤーの本音が浮き彫りになった。
「アパートじゃなくて一軒家が欲しい」という強い声
インタビューの中でも触れられたハウジングシステムだが、コミュニティの反応は意外なものだった。記事中の「異なるタイプのアパートを購入できるか?」という質問に対し、トップ評価のコメントは皮肉混じりにこう述べている。
「この記者、ゲームをプレイしてないだろ……」
複数のプレイヤーが指摘するのは、現状のアパートメント型住居ではなく、郊外型の一戸建てが欲しいという要望だ。
「ゲーム内の郊外エリアが本当に美しい。あそこに家を持てたら最高なんだが」
ある別のプレイヤーはより踏み込んだ意見を述べている。
「小さな家のほうが好きだ。限られた空間をどう活かすか考えるのはパズルみたいで面白いし、ちゃんと『人が住んでいる』感じが出る。大きな家は家具のバリエーションが足りなくて、ソファばかり置くハメになって、ガランとして生活感がない」
これは開発チームへの興味深いフィードバックと言える。「ハウジングのバリエーションを増やす」と言われたとき、プレイヤーが期待しているのはアパートの種類ではなく、別タイプの住居(一軒家、田舎風住居など)の追加なのだ。あるユーザーは「農村部に家を買いたい。丘の中腹にシンプルなモダン建築の家を建てて、農地と庭を見下ろせて、小さな町が見えて、夕日を眺められたら最高」という具体的な夢まで語っている。
Switch 2への期待:「原神より先に出たら皮肉だな」
Switch 2展開の可能性については、コミュニティは概ね歓迎ムードだ。
「もし『NTE』がSwitch 2初の本格的なガチャゲーになれたら、これは超デカい話だ」
「スマホのストレージを食いまくってるから、Switch 2版マジで助かる」
そして当然のように、『原神』がいまだにNintendoプラットフォームに登場していないこととの比較も飛び交っている。
「原神のSwitch版発表から何年経った? 2世代もハード進化したのに影も形もない。『NTE』には本当に実現してほしい」
一方で、慎重な意見も少なくない。
「Switchに行くのは罠だぞ。アップデート承認も開発も、任天堂相手はかなり面倒だと聞いてる」
「ガチャゲーが新コンテンツ出すの当たり前では?」という冷ややかな反応
最も多くのアップボートを集めた批判的コメントは、インタビュー記事そのものへのものだった。
「いやガチャゲーが新コンテンツを出し続けるのは当たり前だろ。それがライブサービスゲームってもんだ」
確かに、インタビューの内容を冷静に読み返すと、「新コンテンツを出します」「プレイヤーの声を聞きます」「最適化を続けます」といった、ガチャゲー運営として当然の表明が並んでいる側面は否めない。ファンが本当に知りたかった「飛行機(航空機)での移動はあるのか?」という質問について、開発チームが具体的な回答を避けたことも、一部のプレイヤーをガッカリさせた要因のひとつだ。
キャラクター運転、リレーション、その他要望
ゲーム本体への具体的な要望も多く挙がっている。
「主人公キャラ以外でも車を運転したい。メインクエストで九原が運転してくれたシーンがあったから、技術的にはコード書けるはずなのに、なぜフリーロームでできないんだ?」
「ハソールはバイクに乗れるよな。あれはモデル/リギングの問題だと思う。九原とハソールだけ運転アニメーションが作り込まれていて、他のキャストはない。さきりやエドガーは特に難しそうだから、当面は今のままだろうな」
ストーリーのクエスト設計についても辛口の意見が見られた。
「『時間スキップ→寝る→A地点へ→寝る→B地点へ→時間スキップ』みたいなクエスト構造は本当に勘弁してほしい。でもそれ以外は最高のゲーム。1.0時点でもやることが本当に多い」
「複数都市」というワード、そして「中華発ゲームの日本要素」という潮流
スレッドの中でも個人的に興味深かったのが、以下のコメントだ。
「複数形の『Cities(複数都市)』というワードが嬉しい。『Districts(地区)』は既にレンダリング済みで未開放のエリア(東部、島、遊園地っぽいエリア)があるから予想できたけど、新しい都市のデザインがどうなるのか本気で気になる」
これは『原神』のテイワット大陸や、『鳴潮(Wuthering Waves)』のような分割マップ構造を念頭に置いた期待と言える。Hotta Studio自身も「他都市は分割マップになる可能性が高い」とは明言していないが、規模感を考えれば、ヘテロシティと地続きで別都市を実装するよりも、別マップとして実装するほうが現実的だろう。
また、興味深い文化的観点として、以下のようなコメントもあった。
「『NTE』はある面では日本へのオマージュ要素が既に強い。キャラクター、アニメ的演出、車のデザイン……。中国の若い世代は日本文化が大好きで、コスプレイヤーとして公の場に出ることも当たり前になっている。10〜20年前ではあり得なかった光景だ」
中華圏発のガチャゲームでありながら、日本のサブカルチャー要素を真正面から取り込んでいる本作の立ち位置を象徴するコメントだ。日本のメイドカフェ(秋葉原のリリアンキュキュ)とのコラボなど、リアルワールドでの展開も含めて、「中華発・日本市場直撃型」の典型例となっている。
まとめ:「期待」と「冷静な見方」のバランス
今回のインタビューで明らかになったポイントを改めて整理すると、以下のようになる。
確定情報レベル:新地区・新異象エリア・新ストーリー章・新ゲームモードの追加、PS5 Pro対応強化、GeForce Now対応(オープンベータ以降)、ハウジング種類の拡張、協力プレイ要素の継続強化
期待情報レベル:他都市・他地域への探索解禁、Nintendo Switch 2/Xbox Series X|S展開(評価中)
未確約:飛行機など長距離移動手段の具体像、Switch 2版の確定可否、他都市実装の時期
コミュニティの反応を見るかぎり、プレイヤーは『NTE』というゲームそのものを高く評価していることが伝わってくる。「やることが多すぎて時間が足りない」「ヘテロシティでの生活が本当に楽しい」という声が大半で、その上で「もっとこうしてほしい」という建設的な要望が中心となっている。これはライブサービスゲームとしては理想的な状態と言えるだろう。
一方で、「ガチャゲーの当たり前を聞いただけのインタビュー」という冷静な指摘も的を射ている。本当にファンが知りたい具体的な情報──実装時期、新都市の詳細、Switch 2版の進捗──については、まだ多くがベールに包まれたままだ。
それでも、Hotta Studioが長期運営に本気で取り組む姿勢を示したことの意義は大きい。ヘテロシティが今後どこまで広がっていくのか、そして本当に他都市への旅が実現するのか──次の数ヶ月から1年で、この野心的なロードマップの真価が問われることになりそうだ。

探索手段の多様化は期待してるわ
ジャンプできる乗り物とかあってもいいかも